アマゾンが法人税150億円納付したことからグローバルな法人税問題をおさえておく
米IT、日本で直接納税 アマゾンが法人税150億円納付
こんなニュースが目に飛び込んできたので「ふーん」て感じで読んでたんだけど、
アマゾン、納税へ方針転換 法人税2年で300億円 売上高を日本法人に計上
300億って凄いなって思って「なんでこれまで払ってこなかったの?」と不思議に思い色々と調べてみた。
すると以外にもこのグローバル企業の税金問題はかなりの闇があることがわかってきた。
[GAFAの租税回避]
租税回避とは単なる節税や脱税ではなく、いわばグレーゾーンな節税。
GAFAとはGooogle、Amazon、Facebook、Appleの頭文字をとって「ガーファ」と読む。
GAFAと世界各国では色々と税の問題が出てる。
Facebook日本法人は5億円申告漏れ(海外移転)→応じて払う
グーグル日本法人は35億円申告漏れ(海外移転)→応じて払う
Appleはアイルランド政府に対して約1兆7875億円を納税
そもそもなぜこのような問題に発展するかというと、
外国企業が日本で事業を行う場合、日本が課税権を発動するためには、当該外国企業が日本に何らかの課税の根拠(恒久的施設、PE)を持っていることが条件となります。これは「PEなければ課税なし」という国際課税の最も重要なルールです。その中で「倉庫はPEには当たらない」(正確には「倉庫のさまざまな機能を活用した活動の全体が、準備的・補助的なものである場合には、PEには当たらない」)というのが当時の国際課税のルールで、日本の課税権には服さない、つまり法人税は負担しないということなのです。
PEとは、
国際税務では、外国法人に対する課税の根拠となる支店や子会社、工場などを「恒久的施設(Permanent Establishment:PE)」と呼んでいます。
つまり、アマゾンが日本に物流倉庫を持っていてもPEとして認定されないことにはアマゾンに納税の義務はないわけなんですね。
ただ、2015年秋に公表されたBEPS最終報告書では、「人為的にPEの認定を逃れることを防止するために、租税条約のPEの定義を変更する」ことが勧告され、日本はこの勧告に従い、アマゾンの倉庫を実質的に判断してPEに認定することに成功。
だがしかし、日本では
条約 > 法律
という力関係となるため、
日米間の日米租税条約が改定されないことには、アマゾンには課税できないままとなる。
なんやねんそれ!って話。
あとこの問題を理解するためにはタックスヘイブンという言葉も知っておいた方が良い。
タックスヘイブンとは
一定の課税が著しく軽減、ないしは完全に免除される国や地域のことであり、租税回避地(そぜいかいひち)とも、低課税地域(ていかぜいちいき)、とも呼ばれる。
要はGAFAが作り上げたビジネスモデルは「無形資産」であることから、工場や建物などの「有形資産」とは違って、所有権を契約一つで移転させることができる。
なのでアイルランドやルクセンブルクといった低税率国(タックスヘイブン)に子会社を作って無形資産を置く。
そうやって無形資産を移転すると、各国から製品を売ることで得た利益は低税率国(タックスヘイブン)に入る。
この節税スキームを利用してGAFAに代表されるアメリカのIT企業はタックスヘイブンに利益を留保することが可能。
さすがGAFA。
ifとelseで理論的にかいくぐってきやがるぜ。
まとめ
- PE(恒久的施設)がない状態をつくる
- 無形資産を低税率国(タックスヘイブン)に移転する
というロジックで租税回避しているということになる。
だけどここにきてAmazonが日本に300億円の納税をしたことからも推察できるように、PEが日本にあると定義することで得られるメリットもあるのだと考えられる。
例えば日本の法律と切っても切り離せない金融事業を本格的に始める・・・とか。
とにかくこういった問題の裏側を正しく理解するためにはもっともっと世界情勢やら、法律やら、ビジネスフローやら勉強すべきことがたくさんあるのだと今日も学んだm(_ _)m
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