考えることが苦手な人へ【思考は自由/ラテラルシンキング】

ここに13個のオレンジがあります。
これを「3人の子どもに均等に分けなさい」と言われた時、あなたならどうしますか?
一般的な回答例としは、
・4個ずつ分けて残る一つのオレンジをむいてそれを3等分にする
・全部のオレンジをむいて、はかりで重量が均等になるように分ける
などが挙げられると思います。
これらの回答にいきついた方はロジカルシンキングに基づいて考えたといえます。
ロジカルシンキング=論理的思考とも言われ、問題を掘り下げて最適解にアプローチする思考法ですね。
これを自由な発想で考えてみます。
そもそもここでは「3人に均等になる」以外に制約は存在しません。
なので回答としては
・ジュースにして均等に分ける
・1個自分が食べて残り4個ずつを子供に分ける
でも正解になるわけですね。
一見「ずるい」と思われる回答かもしれませんが、この「ずるい」の正体は
人は無意識に思考に制約を設けている
からなんですね。
その背景には日本の学校教育では基本的に答えは1つとして叩き込まれてきたことがあります。
いつの間にかロジカルシンキング脳を鍛え続けられてきたわけですね。
ロジカルシンキング脳が悪いと言っているわけではありません。
今の世の中の発展はあらゆる前提条件から先人が思考を積み重ねた結果、文明や科学が発達してきたのは間違いありません。
ですが、私たちが普段の生活において
「答えは1つ。それ以外は認めない」
とした場合、凄く窮屈でストレスを溜めやすい思考になってしまいます。
考え抜く思考(ロジカルシンキング)と一見ずる賢い自由な思考(ラテラルシンキング)、これらをバランスよく採用することでストレスから開放されましょう。
ラテラルシンキングとは
そもそもラテラルシンキングとは何なのか。
ロジカルシンキングとの違いで解説します。
ラテラルシンキング | ロジカルシンキング | |
目的 | 思考の幅を広げる | 論理的に筋道を立てる |
思考の 方向性 | 水平方向 本質を考え思考の可能性を広げる | 垂直方向 ひとつの考えを深く掘り下げていく |
解答 | 解答は複数 | 基本的に解答は一つ |
考え方 | 自由な発想 直感的で枠組みにとらわれない | 常識、経験から発想する 論理的かつ既存の枠組みに当てはめる |
このように見るとラテラルシンキングとは本質を直感と自由な発想で考えること、と定義できそうです。
ラテラルシンキング脳を実践するために意識しておくと覚えておくと良いキーワードが3つあります
1.常識にとらわれない
固定概念、常識や慣習を疑う。
例)合コンで幹事を担う。参加費をみんなから現金で徴収して、クレジットカード決済にしてポイントをいただく
2.最短ルートで解決する
倫理に反しない範囲で発想を自由にもつ。
例)緊急対応で現場に急行する場合、新幹線?飛行機?いや、ヘリコプターだ!という発想をしてみる。
3.コストの節約
例)あるテーマパークでアイスクリームが飛ぶように売れていた。しかしその食べた後のカップやスプーンが芝生に多く捨てられるなど環境的な問題がある。これらをコスト(お金/時間/労力)をかけずに解決したい。
→カップを食べられるコーンにする
いざ自由な発想をしてみようと思っても思考の枠を変えることは難しいです。
なのでこれらのキーワードを覚えておくことで、ラテラルシンキングを自分の思考のフレームワークにしていきましょう。
ラテラルシンキングの例

ラテラルシンキング脳になるためには、例えばどういった前例があるのか(過去にあったのか)をおさえておくと発想の役に立ちます。
ケース1 自動改札機にかかる時間
いまやICカードが使える改札は広く一般的になってきましたが、ここには知られざる開発の苦悩があったようです。
【課題】
ICチップの読み取り時に乗車駅から降車駅までの運賃を自動で計算して処理するわけですが、相互乗り換えする複雑な運賃計算をふまえて処理すると計算が時間が長くなってしまう問題がありました。
改札機内のコンピュータの性能は限られているためスペックを上げるというのも難しい。
だったら計算が終わるまでは扉を閉めて利用者に待機してもらう、というのも都市部や人の流れを考えると難しい。
【ロジカルシンキング的アプローチ】
・コンピュータの性能を上げる
・自動改札機を増設する
【ラテラルシンキング的アプローチ】
・自動改札機を長くする
最近の自動開発機が長くなっていることを皆さんはお気づきでしょうか?
実はあれは処理時間を稼ぐための施策なんです。
利用者が長い改札を通過する分の時間を稼ぎ計算時間にあててるわけですね。
ケース2 販促物を受け取ってもらえない
【課題】
ある展示会にブースを出展した際、自社の事業を多くの人に知ってもらいたくパンフレットを配布することを思いつきます。
ですがそれを配布しようにもなかなか手にとってもらえません。
【ロジカルシンキング的アプローチ】
・パンフレットのデザインを変える
・一通りの多い場所、配布する人員を増やす
【ラテラルシンキング的アプローチ】
・配布を止め、ブースのテーブルにパンフレット置き「おひとり様3部まで」と限定的を強調した
いかにも日本人に刺さる発想ですね。
フリーで誰でも配ってます、というよりは「3部限定ですよ」とあえて制限を加えた方が結果として人の心理に訴求できたという発想の転換でした。
まとめ
ラテラルシンキングはマジメな人からすると「ずるい」と思われてしまうこともあるかもしれません。
ですがそれが犯罪的ではなく、道徳に反してもない解決策なのであれば使わない手はないでしょう。
「そんな考え方もあったのか」と周りを驚かせるような斬新かつユニークな発想を磨いていきたいですね。
最後にロジカルシンキング脳を育成するための良いトレーニング方法をご紹介します。
それは、周りを見渡してたまたま目に入った物の使い方を30個考えてみる、です。
例えば新聞紙だったら、
・世の中で起こってる情報を取得するもの
・語彙の勉強をするツール
・虫を叩くもの
こういった感じで思考に自由をもたせていく訓練です。
では、良きラテラルシンキング生活を😀
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