【元気が出る】妻の死を意識して考えた「幸せの再定義」

健康診断、毎年受診してますか?
今年で35歳になる僕は、新卒から毎年、健康診断を受診していました。
それが33歳から現在の35歳になるまでの2年間は仕事が忙しいということを理由に受診できていませんでした。
受診できていません、というのはあくまで言い訳で、受診しない理由が欲しかっただけなのかもしれません。
ですが、頭のどこかでは「そろそろ受診しないとなぁ」とは日々考えていました。
理由はいくつかあります。
・芸能人が癌で亡くなるというニュースを多くみるようになった
・知人、周りの人で癌を患う人が増えた
・自分の同年齢の知人が癌で亡くなった
特に最後の理由は僕の中でも凄くショックな出来事でした。
知人の中では手術をすることで無事に退院できた人もいます。
ですが、自分と同じ年齢であっても癌になる人がいる。治癒できる人もいれば亡くなる人もいる。
そのことを冷静に考えた時、2年間も健康診断を受診できていない自分が恐ろしく感じたわけです。
そして今年の3月、意を決して夫婦で健康診断を受けることにしました。
結果から振り返ると、とても辛い経験はしましたが夫婦で受診して良かったなと思ってます。
・健康診断を受けようかどうか迷っている人
・健康診断を受けて要再検査の結果が届いた人
・大事な人に健康診断の受診を勧めたい人
・夫婦ともに健康であり続けたい人
目次
1.なぜ健康診断を受けるのか
2.健康診断までの流れ
3.結果を冷静に受け止める
4.すぐに信頼できる病院に連絡する
5.最悪の事態も想定しておく
6.検査当日
7.日頃の全てに感謝する
1.なぜ健康診断を受けるのか
企業に属して仕事をされている方の多くは、会社側から毎年1回の健康診断の受診(定期検診)を義務化されているはずです。
企業側(事業者)に義務があります。企業は、労働安全衛生法第66条に基づき、労働者に対して、医師による健康診断を実施しなければなりません。この義務に違反した企業は、50万円以下の罰金が課せられます。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000103900.pdf
私の会社でも定期検診は義務化されているのですが、ここ2年は忙しいという理由で実際は受診できていませんでした。
というのも忙しい時期に健康診断で休みをとろうとすると
「え?こんな時期に健康診断で休みをとるの?」
という会社の空気感を感じるのが嫌だったというものあります。
そういった空気感を勝手に自分で感じ取り月日が流れると今度は行くのが面倒になったり、行くことが少し怖くなったりもしました。
そんな中、テレビを見てると芸能人が癌になったというニュースを多く見るようになり、
知人でも癌が見つかった、癌の手術をした、という話を良く聞くようになりました。
私は健康診断を受診する際はいつも夫婦揃って受診していました。
この時は夫婦揃って2年のブランクが空いていました。
私の妻は私よりも年齢が上だということもあり、健康診断には後ろ向きであることも伝わりました。
ですがまだ幼い2人の子どもたちのことも考え、
「家族のためにも健康でいることが大事」
ということを改めて確認しあい、2年越しに健康診断を夫婦で受診することに決めました。
2.健康診断までの流れ

受診すると決まれば実際に受診するまでの期間は2週間程度です。
- 会社の健康保険が適用される病院を選び、電話する(2週間後以降で予約)
- 1週間ほどで検便キットと問診票が自宅に届く
- 検便を終えて受診日を迎える
という流れになります。
受診日当日は問診票と検便キットを受付で出し、後は検査を順番に進めていくだけです。
最後の検診は問診になります。ここでに受けた検査結果と日頃の生活習慣を先生と振り返りながら医師からのアドバイス等を受けます。
ここでドキッとする一言があったのですが、
「すぐにでも病院に行くことをおすすめするような検査結果の場合、本日中にお電話することもあります。ですが稀なケースです。大抵は2週間程度で診断結果はご自宅に届きます。」
なので当日は夫婦で電話がかかってこないか、という心配をしてました。(結果、当日中に病院から電話がくることはありませんでした)
各検査の中では特に何も言われることもなく、医師の問診の際に言及もなく、当日中に連絡もなかった。
この時は夫婦で今年の健康診断はとりあえず乗り切った、無事だったーと喜んだ記憶もあります。
ですがこの2週間後、診断結果が届きます。
妻の方の検査結果の封筒は私の封筒よりも厚みがあり、少し嫌な予感がしました。
3.結果を冷静に受け止める
検査結果が自宅に届いた時、私はまだ会社で仕事中でした。
妻から電話があり、
「検査結果が届いたよ。なんか私のだけ分厚い。」
この時点で凄い嫌な予感はしてましたが中身が気になるので、そのまま電話の向こうで開封してもらいました。
封筒の分厚さの正体は、紹介状が入っていたからでした。
妻の診断結果としては、
・大腸がんの要精密検査
・乳がんの要精密検査
でした。
それを電話で聞いた時は一瞬頭が真っ白。
妻もその時は頭が真っ白になったと言います。
まさか2項目も要検査の対象になるなんて。
この日はもうそれ以降仕事が手につかず、検査の内容、どういったことが今後予測されるのかなどをネットで調べまくりました。
電話で妻になんて声かけをしたら良いのか、今後妻はどうなってしまうのか。よりによって妻だけが2項目も検査にひっかかってしまうなんて。
そういうことを考えていたら私自身、涙が止まりませんでした。電話の向こう側で妻も泣いていました。
とにかくその時は妻はもちろんのこと、二人には恐怖心しかなかったのだと思います。
ちょうどこの時、社内も大きなシステムのリリース間近ということもあり大変バタついていました。
ですがとにかく妻のことが心配な私は、上司から何と言われても休みをとる覚悟で検査日には休みをとらせて欲しいことを交渉しました。
上司の出方次第では辞めることも覚悟したほどです。(人間、腹が据われば怖いものなしだなと思います…)
交渉の結果、連絡はとれる状態にしておくことで休みの申請は通りました。
ここまでは妻との電話後、30分以内の出来事です。
これからやるべきことは、
- 妻に精密検査を受けてもらう
- 信頼できる病院に予約をとる
- 妻のサポートに専念する
ということになります。
仕事でもそうですが、想像できないことには不安を感じてしまいがちです。
これから進むべき道、その先に待っているものが想像ができていないと人間はストレスを感じてしまうものだと、この時痛感させられました。
妻がこれから受けるべき検査の内容、その検査を受けた方の体験記、とにかく調べまくりました。
でも調べれば調べるだけ、不安と恐怖は募る一方でした。
検査結果は当然、人によって異なります。検査の結果、異常が見られなかった人もいれば、悲しい結果になる人もいます。妻の場合はどちらのケースになってしまうかなんてネットで調べたところでわかるはずもないからです。
調べてわかったことの中から、できるだけ前向きになれるような情報だけを妻に伝えました。
検査の流れ、どういった検査をおこなうのか、癌が見つかったとしても大半は治癒できること。
私自信も不安に押し潰されそうでしたが、できるだけ笑顔で、曇りのない表情で伝えることに専念しました。
悪いケースは容易に想像できてしまいますが、とにかくこの時の私は「冷静に、冷静に」といつも自分に言い聞かせていました。
結果が出て初めて次のアクションが起こせる。だから今は結果を冷静に受け止めるしかない。
理屈はわかっていても、なかなかそういう思考に定まらない。この日から眠れない日々が続くようになります。
4.すぐに信頼できる病院に連絡する

精密検査をするとなっても病院選びは慎重におこないました。
近くで大学病院や記念病院など、専門医がいて信頼できる実績のある病院を選びました。
また、精密検査を受ける立場の妻が自ら予約の電話をする前に、私が調べて当日中に実績のある記念病院に予約の電話をしました。
できるだけ悩む時間を減らしたかったのと、時間がすぎることで検査を受ける気持ちが遠のくのを避けたかったためです。
ここは半ば強制的にでも予約をとってしまえば後は時間が解決してくれる状態にもっていったのは心労的な負荷の面でも良かったと思います。
その甲斐あって、最初の予約日は次の日にとることができ、翌日の早朝から病院に向かうことにしました。
予約日は当日は受付で紹介状を見せ、受付用紙に記入して初回の問診を待ちます。
この記入用紙には、
医師から大事な話がある場合、本人と一緒に話を聞く方の名前、関係を書く欄があります。
これは相当ショックです。
最悪の事態も想定しておかない状況にあるのだと実感せざるを得ないのだと痛感しました。
結局この日は各精密検査日の予約をするだけとなりました。
・大腸検査は当日の検査内容の説明などを受け、検査は約一週間後となりました
・乳がん検診の精密検査は当日も可能でしたが、専門医が不在という理由のため約2週間後となりました
どちらの検査も先の日付となり、その日は少し気分が落ち着いたと同時、このハラハラな気持ちも伸ばされたと思うと重い気持ちにもなりました。
5.最悪の事態も想定しておく
ネットで調べた中で驚きだったのは、多くの人が大腸の要精密検査であっても検査に行かないということでした。理由は単純で、
- 検便キットは2回なので、そのうち1回が血便陽性であっても偶然だろう
- 仕事が忙しく検査に行く暇がない
- 痔をもっているため、その血が交じったのだろう
こういった変にポジティブで全く根拠のない理由のようです。
一瞬「再検査なんて受けなくていいかも?」とも思いましたが、そもそも健康診断を受けようと思ったきっかけは「大切な家族のために健康でいること」だったため、ここは勇気を出して妻には再検査を受けてもらいました。
精密検査当日までの期間はとても長く感じられ、日常生活のあらゆる言葉にも敏感になります。
「癌」というフレーズには特に敏感になります。保険のCMなんて毎回ドキドキさせられました。
また、「陽性」という言葉や「検診」という言葉にも凄く敏感だった記憶があります。
普段何気なく見ているバラエティ番組でも、こうやって家族で笑顔で笑えるのって幸せなことだなぁ、とか
何歳まで家族でこうやって笑顔でいられるのだろうか、とか
夫婦でおじいちゃんおばあちゃんまで生きていけるのかなぁ、とか
とにかく毎日そういった考えばかりが頭をよぎってました。
また、妻の言葉でも未だに忘れられない言葉があります。
「私はおばあちゃんになれるのかなぁ。長生きしたい、長生きしたいよぉ」
と泣きながら私に言った言葉でした。
その時はとにかく「大丈夫、大丈夫だから」と、ただ私は妻をぎゅっと抱きしめてあげることしかできませんでした。
大丈夫だと言葉でいいつつも、現実は最悪だったらどうしよう、とかそれでも考えてしまう自分が嫌でした。
だけど、最悪なケースも想定しておかなければ結果を聞かされた時のダメージは計り知れないと、同時に自分を奮い立たせるようにもしていました。
今振り返っても相当、情緒不安定ですね。
それくらい大事な人に何かあったらと思うのは辛いことなんですよね。
でも、この不安な期間に私自信が自分と妻を納得させるために考えたこと、それは
どんなに辛い結果だったとしても、今わかって良かったと考えるようにしよう
ということです。
この時期に二人で受診することを決めて検査を受けたわけです。
自覚症状もない状態で悪い結果が出たとしても必ずそれは早期発見だと思うし、治せるはず。
だから、どんなに辛い結果であっても、それは二人にとって良いことだと思うことにしよう。
そう二人で考えるようにしました。
6.検査当日

そしていよいよ検査当日です。
1回目の検査日は大腸がん検査。
前の晩に下剤薬を飲み、翌日の朝6時から下剤薬を溶かした2リットルの水を2時間で飲み干します。
内視鏡で見えやすくするために、何度も何度もトイレに言っては便を出して腸を洗浄していきます。
それから予約の時間に病院に行き、検査着に着替え、手続きを終え妻は検査へ、私は待合室で待ちます。
妻を見送るのは凄く辛かったです。
検査は30分から1時間と聞かされました。
待たされている間はずっと手汗をかき、とにかく落ち着きません。
ノートPCを持っていき、気を紛らわすために仕事をしようとしましたが、手につくわけもなく。
ただ、ずっと祈るように待っていました。
40分ほど経って、妻が待合室に戻ってきました。
マスクをしていたので表情が読み取れません。
笑っているのか、泣きそうな顔なのか。
そして私の横に来て結果を教えてくれました。
「特に異常はなかったって」
その言葉を聞いて涙がドバっと出ました。
それと同時に看護師さんに呼ばれ、夫婦で医師の説明を聞くことに。
もう目は完全に赤ったですが、恥ずかしさそっちのけで安堵の気持ちでした。
そこから二人で実際の腸の写真を見せられながら医師の話を聞きます。
特に異常もなく、凄く綺麗な腸でした。
病院からの帰り道も行きとは全く景色も違って見え、二人でコンビニに寄ってすぐにデザートを食べました。久しぶりに夫婦で笑いながら会話をできた瞬間でもありました。
これで、残る検査はあと1つ。1週間後の乳がん検診です。
健康診断ではマンモグラフィと触診を受診していました。触診では異常なし、だったのですが、マンモグラフィの結果で要精密検査となりました。
検査当日は朝から病院に行き、妻は検査着に。
・マンモグラフィ
・乳腺エコー(超音波検査)
の2つを受け、より精密に検査をして専門医が問診する、という流れでした。
健康診断の際、触診では特に異常も見られなかったこともあり、乳がん検診の方はあまり心配もしていなかったのですが、要精密検査の項目にあった「腫瘤影」という言葉が実はレントゲンに映らない癌である可能性があることを検査前の説明資料で知り、超音波検査の時に妻は異様に念入りに一部の箇所を何度も検査されたことから、不安な気持ちが一層高まります。
そして検査医からも「健康診断で異常が見られたのはこの辺りですか?」と聞かれたり、自分でも気になっている箇所がとくに調べられていたそうです。
2つの検査を終え、あとは医師からの結果を聞くだけ。
前の患者さんが長かったこともあり、検査後から問診までは1時間以上待たされました。
その間、妻から検査のことを聞き「ひょっとしたら自分でも違和感を感じてる部分に腫瘍があるのかも」と考えがよぎり始め、二人はまた鬱な状態に。
どんどん気は落ち込んでいき、最後の10分くらいは二人とも沈黙状態。
そんな中、やっと呼び出しが。
女性の専門医の方で、エコー写真を見ながら丁寧に教えてくれました。
あまりにも親切、丁寧な口調だったので、最後には良くない結果を言われるのかとドキドキが止まりませんでした。
そして医師からの最後の言葉は、
「特に異常は見られません。初めて健康診断を受けられる病院で、最初のマンモグラフィの検査を受けていただく際は、少しでも腫瘍のような影が見られる場合は精密検査の対象として報告することになっています。おそらくはこの影がそのように見えたために報告をされたのでしょうが、これはマンモグラフィの結果とエコーの結果と両方から鑑みてもまず異常はありません。リンパのつまりのようです。大丈夫ですよ。」
はい。もうわかりますね。しこたま泣きました。
ですがこの後はもう一度、医師による触診ということで外に出されました。目を真っ赤にしながら。
外に出されて一人でぼーっとこれまでのことを振り返ったりもしました。
この時、不思議と「嬉しい」という気持ちよりは「安心した」という気持ちが強かったことを覚えています。
7.日頃の全てに感謝する

健康診断の予約を入れてからの1か月間、本当に様々なドラマがありました。
夫婦にとって毎日がとても辛く、ふとした時に泣いたりもしました。
今日と変わらない明日が毎日当然やってくると思っていた自分を恥ずかしく思います。
いつもと同じ明日がくるという保証はありません。
家族にとって、夫婦にとっては健康であることは責務だと思いました。
適度な運動、ジャンキーな食べ物、これまでは軽視していたものも夫婦で見直すようにもなりました。
仕事でも上司の顔色を伺って無駄な残業をして、家族の時間を減らすようなこともなくなりました。
家族にとって何が大切か、普段身近にいる人にいつも感謝の言葉を口にしているか、考え直す部分はまだまだあります。
今回、夫婦で健康診断を受け、妻は2項目も要検査の対象となってしまいましたが、これを二人で乗り越えた経験を無駄にすることがないように、今後の戒めという意味でもブログに書き残すことにしました。
このブログが自分だけでなく、誰かを元気づけることに繋がるととても嬉しいです。
大切な人、自分のことをもっと大事にしましょう。
1分1秒を、限りある人生を満喫するためにも、今命があることにまずは感謝しましょう。
生きているって素晴らしい!
このブログをきっかけに、幸せの再定義の一助になれば嬉しいです。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません